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ズイコーレンズが光るカメラ…オリンパスの歴史

1959年、ハーフサイズカメラのオリンパス・ペンが発売されました。

1958年から「6000円で買えるカメラ」として開発されたペン。

当時はまだフィルムが高価だった時代。

24枚撮りのフィルムで48枚撮れる経済性が受けて、大ヒットになりました。

それまでもハーフサイズカメラはいくつか発売されていたようです。

それまでの機種との違いは、レンズの性能でした。

ハーフサイズカメラは、引き伸ばす機会が多いため、画質が悪くなりがちでした。

この点に妥協しなかった技術者の米山美久は、高性能のズイコーレンズの採用を決めます。

レンズの質を上げるために、シャッターや巻き上げの機構を簡素化し、コストカットすることで予算内に収めることができました。

さらに、この時開発されたフィルムカウンターの機構が特許を取ります。

それから60年経った今、フィルムの数が減少し、フィルムカメラユーザーが経済的に良さそうと、このオリンパス・ペンを探す方も多いですよね。

今回は、オリンパスの歴史について触れていきます。

顕微鏡メーカーとしての始まり

山下長は1919年、国産顕微鏡の開発のため、株式会社高千穂製作所を設立します。

開発から半年で、国産顕微鏡の旭号が誕生します。

オリンパスは医療機器としても有名ですよね。

ちなみにオリンパスという名称は、1921年に商標登録されます。

この顕微鏡の技術を生かし、1934年からカメラ用のレンズの開発に乗り出します。

2年後に完成したレンズに、良いことをもたらす光を意味する「瑞光(ズイコー)」と名付けました。

これがズイコーレンズの始まりです。

そして同じ年の1936年、オリンパス初のカメラ、セミオリンパスが誕生します。

645判のスプリングカメラで、開発したズイコーレンズが高品質でも原価も高かったようで、他のカメラメーカーに受け入れてもらえなかったことから誕生しました。

初号機のセミオリンパスは、ボディは他社製のものを使用していましたが、2年後の1938年、ボディも自社製のセミオリンパスが発売されました。

こうして、オリンパスのカメラはスプリングカメラから歴史が始まりました。

二眼レフブームの時、オリンパスは?

マミヤシックスや二眼レフカメラのエルモフレックスにもレンズを供給していたこともあり、自社でも二眼カメラの開発を手掛けます。

1952年にオリンパス初の二眼レフ、オリンパスフレックス型が発売されます。

当時は二眼レフカメラが大ブームを起こしていましたが、やや自社製品の開発に遅れを取ったからなのか、二眼レフカメラは型を含め3機種ほどしか発売されませんでした。

☆軽量カメラの始まり

オリンパスといえば、小型で軽量、かつ高性能のカメラとして、今でも若年層を中心に人気がありますね。

このオリンパスのルーツは、1948年まで遡ります。

オリンパス初の35mm判カメラのオリンパス35Ⅰは、「巻いて掛けて押すだけ」で写真が撮れるカメラとして話題になります。

ちなみに掛けるというのは、シャッターを掛けるということで、シャッターチャージを意味します。

このカメラは別名、巾着切カメラと言われていたようですね。

巾着切とは、いわゆるスリのこと。

やや乱暴に感じますが、それだけすばやく撮影できるという例えだったようです。

オリンパス35シリーズは、1974年のオリンパス35EDまで続きます。

OM-1システムの誕生

オリンパス35シリーズとオリンパス・ペンシリーズをヒットさせたオリンパスが次に狙ったのは、一眼レフカメラでした。

一眼レフは当時「ボディが大きい」「重い」「音が大きい」という欠点がありました。

たしかにミラーアップの衝撃音は、一眼レフ独特の魅力である一方、静かな場所での撮影だと気になりますよね。

オリンパスが得意とするボディの小型化、ミラーの衝撃を吸収するエアダンパーを搭載し一眼レフの欠点を克服する一方、シンプルな機構にした一眼レフが、1972年発売のOM-1です。

カメラ自体はシンプルながら、アクセサリーの数が多いのが特徴です。

レンズだけでも、ズイコーの望遠レンズから顕微鏡レベルまで対応したレンズまで、ありとあらゆるレンズがあります。

内視鏡用のマウントアダプターもあるそうです。

こうしてさまざまなシーンで活躍できるように開発されたのがOM-1です。

このOM-1、発売当時はM-1という名前だったそうです。

しかし同じくMシリーズを展開しているライカからのクレームによりOM-1と改称されました。

M-1としての発売は197210月、改称したのは19735月なので、10ヵ月間はM-1として販売されていました。

M-1名義のカメラを見つけられたら、ラッキーかもしれませんね。

今ではデジタルでも人気のメーカーに

OM-1システムは30年に渡り製造されましたが、その後デジタル一眼レフのEシステムシリーズを発売し、デジタルカメラ市場へ切り替えを余儀なくされます。

しかし、オリンパスのペンの名称は、ミラーレス一眼カメラのシリーズに継承されています。

中古カメラでもハーフサイズのペンやOM-1は人気が高いですね。

デジタルでも人気のコンパクトカメラですが、フィルムカメラの時からカプセルカメラXAシリーズなど、ラインナップが多彩でした。

レンズメーカーのカメラは、バリエーションが豊富だと感じました。

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